近年デジタルアーカイブは活用しやすくなってきたと思います。
ブログ等で複製使用する場合の申請を不要としているデジタルアーカイブが増えてきています。(著作権保護期間が満了)
名画と言われる絵画について紹介をする場合、肝心の絵を表示しないといけないですよね。
絵の無い文章だけの表現はあり得ないです。
絵画に関しての記事を描く場合に、申請不要(パブリックドメイン)の絵画の検索について調べてみましたので、紹介したいと思います。
この目的のために、各美術館サイトをまとめたサイトは既にあります。↑
(※世界中全てを網羅しているということではないです。)
基本的には、ここを見れば良いということなのですが、ここではもう少し踏み込んでみたいと思います。
美術館のサイトで見ることができるデジタルアーカイブは、以下の点が敷居を高くしているように思います。
海外の美術館のサイトの言葉の問題
海外の美術館のサイトは日本語では書かれていません。
その美術館がある国の言語で書かれていることが基本です。
美術館のサイト構成が全て違う
美術館のサイト構成は全て違います。
検索するときに、まず最初にしなければいけないのは、検索の仕方の把握から入ることになります。
2次利用の申請が不要なものと必要なものが混在している
申請不要と必要のものが混在している場合は、どのように検索するのか、どこを見て判断するのかということが必要になります。
上記のことにより、検索という行為をする段階で、まずは、調べるということから始まるので、少し敷居が高いのではないでしょうか?
申請不要のものを効率良く検索するためにはという観点で各美術館のサイト(海外で英文表記)を調べて見ました。
各美術館サイトを確認し検索のしやすさの観点からいくつか選んだので紹介します。
パプリックドメイン
最初にクリエイティブ・コモンズによるパブリックドメインの説明をします。
引用元 :パブリックドメイン サイト名 :クリエイティブ・コモンズ URL:https://creativecommons.org/publicdomain/zero/1.0/deed.ja
このようにパブリックドメインであれば、自由に使えることがわかります。
この記事の目的はパブリックドメインの絵画の選定なのでこれは予備知識となります。
以下、選定した美術館のアーカイブを見ていきます。
Art Institute of Chicago
検索ボックスの下に”Filters”があり、“Painting”と”Public domain”を選択します。
今回のフィルターにより、1635のアーカイブがあることがわかります。
具体的なアーテイストの選択はできない感じです。
そういうわけで特定のアーテイストを探す場合は、別の方法が必要です。
以下の方法で、アンリ・ルソーの絵を検索出来ました。
”SORT”でアーテイスト毎にソートすることができました。
”PLACES”でフランスを選択し、イニシャルの最初の文字がHなので、探してみたところ、1枚だけありました。
パブリックドメインなので、ダウンロードして、貼り付けて見ました。
Barnes Foundation
“SEARCH COLLECTION”をクリックします。
”Copyright”で”Public Domain”を選択します。
”Category”で”Paintings”を選択します。
”Artist”をクリックすると、アーテイストのリストがずらっと出てきます。
アンリ・ルソーの絵が18枚ありました。
そのうちの1枚をダウンロードします。
”Download Image”をクリックしたら、入力フォームが出てきました。
使用目的を選択します。
選択は適当で良いと思います。
”Electrical Publication”及び”Not Published”を選択しました。
メールアドレスを良かったら入れてほしいと書いてありますが、特に入れなくて良いと思います。
ダウンロードをしたら思いのほか大きな容量のファイルでしたので、圧縮をしてから貼り付けました。
Cleveland Museum of Art
パブリックドメインのアートを”Open Access”というアーカイブに集約しています。
”Collection Online”をクリックすると、Open Accessのものだけが選択された状態でコレクションが表示されます。
この時点で、アート数は37277でした。
”Advanced Search”をクリックすると、選択肢がでてくるので、”Type of Object”で”Painting”を選択し、”Search”をクリックすると、絵画が検索されます。
この時点で、アート数は3425でした。
ここから絞るときにリストが出てこないので、最終的には、具体的なアーテイスト名を入れるとかしないとダメでした。
個人的には、使いにくい感じがしました。
絞らずに、表示された絵を見ていたら、たまたま、アンリ・ルソーの絵が有ったので、ダウンロードしてみます。
”DOWNLOAD AND SHARE”をクリックすると選択肢が出てくるので”JPEG and Caption”を選択します。
ダウンロートしたファイルはZIPファイルだったので解凍すると容量の大きなファイルとWEB用の容量の小さいものが入っていました。
この点は結構便利なのですが、最終的な絞り込みは、具体的な検索ワードを入れる選択肢しかないので、そこが残念です。
J. Paul Getty Museum
Searchページを開くと、”Show only”の選択肢が有るので”OPEN CONTENT”を選択します。
”Object Type”で”Painting”を選択します。
総数は596でした。
”Artist”でアーテイストを選択出来ます。
アンリ・ルソーの絵が1枚だけあったので、ダウンロードしてみます。
解像度の選択肢がありました。
一番解像度の低い1024×720のものをダウンロードします。
ここは、”Photograph”が多いです。
総数45741でした。
Metropolitan Museum of Art
Searchページ(Open Access選択状態)から”Object Type”を”Paintings”にします。
総数は8186。
ここはアーテイストのリストが出てこないのですね。
アーテイスト名とかで検索するしかなさそうです。
個人的には、アーテイスト名のリストが出てきて検索できる方が良いです。
アンリ・ルソーの絵をダウンロードしました。
ファイルの容量が大きいので、解像度を変える等をして小さくしてからアップしています。
National Gallery of Art
ここは”Image Download Available”で最初に検索したあとのものを見ることが出来ます。
”Classification”で”Painting”を選ぶことができます。
総数は2447でした。
その後なのですが、アーテイスト名で検索するしかなさそうです。
アンリ・ルソーを検索したら、7つヒットしました。
ファイル容量が大きかったので、解像度を下げてアップしました。
最後に
最近、美術館のアーカイブ化が進んでいることは、聞いていたので、自ら調べようと思い立ち、調べた結果ですが、
- 各美術館の検索ページは構成が全て違う。
- 最終的に見たいところに行くのに具体的な検索ワードを打ち込む必要が有るところが有る。
- ダウンロードできるファイルのサイズは大きめ、すなわち、解像度が高い。一部は、ダウンロードの段階で、解像度を選べるところもある。
- ダウンロードしたファイルのファイル名の記載の仕方が各美術館によりまったく違う。意味の無い、数字や文字の羅列のところも有るが、親切にアーテイスト名、タイトル等が記載されているところも有る。
という事になりました。
それぞれの美術館の考えが有るのでこうなるとは思いますが、これほど違うのかという感想をいだきました。
どこの美術館の点数も数千点とか何万点とかレベルなので、全点見ることなど出来ないので、検索が必要ですが、見たいと思うようなものを検索するには、技とか知識が必要なように思いました。
海外のアーカイブサイトの検索は、やってみて思いましたが、わかってしまえば、大したことないと思うのですが、最初のとっかかりのハードルがそれなりに高いのでは思います。
このように調べましたので、これを見て、やってみようと思ったら、検索してみてください。
最初から、あれやこれやとするよりは、予備知識を得てからすると、早くたどりつけるのでは思います。
美術館、博物館、ミュージアム